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機構概要

機構長からのメッセージ

アジアの時代の、世界を代表する研究拠点を目指して アジア研究機構長 小口彦太

このたび、アジア研究機構長を拝命いたしました。前機構長の奥島先生は、総長時代にアジア展開を大学の戦略目標として提示され、その先生のもとで、私も教務部長としてその目標具体化のため努力したことを憶えています。まさか、再度アジア展開の仕事を命ぜられるとは思ってもいなかったのですが、命ぜられた以上は、自分の最後の仕事として頑張ってみる覚悟です。

ところで、福澤諭吉が脱亜を唱えた明治期の日本の状況を考えると、アジアの時代という言葉が喧伝されている昨今は、まさに隔世の感があり、まことに感無量であります。そして、そうした言葉が流布するのも、偏にアジア諸国の経済発展に起因することは誰しも否定できない客観的事実であります。私の専門は中国法で、1970年代に研究に従事するようになったのですが、正直言って、中国がここまで経済発展を遂げるとはとても想像できませんでした。そして、私の専門とする中国法の驚くべき変容を見るにつけ、経済=土台が、法=上部構造を決定づけるとのマルクスの言がまさに真理であるということをしみじみと実感しております。

「アジアの時代」を実現させた主な力は経済にあります。したがって、ザッハリッヒに経済利益を追求する企業が直面するアジア経済の諸問題に対して、学問的な分析や提言を行うことは、本アジア研究機構が果たすべき役割の一つです。しかし、他方で、経済利益の追求はアジアの各地に様々の面で負の問題を引き起こしていきます。アジアにおける経済発展がどのような問題を引き起こしているのか、それを的確に把握し、社会に発信していく。このことも本研究機構が担うべき重要な役割です。この二つの役割は、まさに「韓非子」の故事にある「矛盾」のようなものですが、研究員一丸となって、これら課題に果敢に挑戦していきたいと考えています。そして、本アジア研究機構をアジアの、否、世界の代表的研究拠点に仕上げていくこと、これが私の目標です。