| 研究テーマ |
現代における文化と社会の状況についての分析 |
| 研究概要 |
文化社会研究所は、社会学的な知見を中心とした総合的な文化研究・社会研究を目的としている。
「文化」の領域をめぐる社会学的研究は、言語や記号によって作られる一連の「文化」の生起とその歴史的変容として社会の解読を試みる解釈学的な方法で、1980年代以降の日本の社会学界を席捲してきた。このパースペクティブは、それまで社会学が客観的なデータとして扱っていた社会的事実が、「言語」なり「言説」なりによって構築された「虚構」にすぎないことを暴露する脱構築的実践であり、「虚構」としての現実と虚構的に戯れるポストモダン的文化のパフォーマティヴな遂行であった。しかしながら、この潮流は、1990年代後半以降、自らの社会的言説を何らかの政治的効果や社会的意義を持つ現実的なものへと鍛え上げようとする真面目な欲望を持ったものに転化してきている。本研究所は、ポストモダン的な文化現象を分析していくことを第一の目的としながら、こうした新たな潮流の中で、さらなる文化研究・社会研究の展開と新たな実践を目指して研究を進める。
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2008年度
研究報告 |
【2008年度研究報告】
発足初年度である2008年度は、文化社会学研究会を中心に研究活動を行った。研究会は全6回を開催し、研究員を中心とした現代文化やメディア文化の文献報告や研究活動の報告、およびゲスト報告者を招いての研究報告等を実施した。
年度の前半では、文化社会学研究会において、各回2名の研究報告が行われた。4月には菊池客員研究員よりPC文化に関わる海外文献の報告、および小林杏教育・総合科学学術院助手より「死を見つめる――記念写真としての写真行為」のタイトルによる報告がなされた。5月には小倉、加藤の両客員研究員により、青少年文化とテレビ文化に関わる最新文献の書評会を開催。また7月と10月は、長谷所長より「写真論としての『父親たちの星条旗』」、小村客員研究員から「視覚テクノロジーと身体――超音波診断と妊婦の身体感覚の変容」、また田中客員研究員から「情報都市における事件の位相――秋葉原無差別殺傷事件に関するノート」のタイトルにより研究報告が行われた。
また年度の後半は、外部ゲスト招聘により、研究活動の交流を深めることを研究所のテーマとして設定し研究会活動にあたった。明治学院大学の長谷川一准教授より「「書物」と「カード」のあいだ──いまなぜ〈編集〉か」、筑波大学の野上元准教授より「パーソナル・コンピュータの文化社会史の試み」、および日本学術振興会の加島卓特別研究員より「表象批判の困難と政治過程の説明責任──デザインの語れなさと『せんとくん』の文化社会学」のタイトルからなるご報告をそれぞれ頂き、各会において活発な討論が展開された。
2008年度は上記のように研究会活動を中心としながら活動を実施することで、当研究所の目的でもある、ポストモダン以降の文化状況の把握、およびその文化状況からみることのできる現代社会の諸相や諸問題についての認識と理解を深めることとなった。
これらの成果を踏まえ、研究所による現代文化に関わるシンポジウムを次年度に開催することを確認し、2008年の活動を終了した。
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研究所員 長谷 正人(文学学術院教授)
トンプソン リー A.(スポーツ科学学術院教授)
若林 幹夫(教育・総合科学学術院教授)
周藤 真也(社会科学総合学術院准教授)
石倉 義博(理工学術院准教授)
客員研究員 穐山 新(法政大学社会学部非常勤講師)
大谷 崇(市立高崎経済大学経済学部非常勤講師)
大貫 恵佳(駒沢女子大学非常勤講師)
小倉 敏彦(立教大学社会学部非常勤講師)
小村 由香((社)日本看護協会政策企画部常勤職員)
加藤 裕治(兜カ化科学研究所都市文化研究部研究ディレクター)
河野 憲一(東洋大学社会学部非常勤講師、神奈川大学非常勤講師)
菊池 哲彦(尚絅学院大学総合人間科学部准教授)
佐々木 てる(立教大学社会学部非常勤講師)
井 昌史(早稲田大学スポーツ科学部非常勤講師)
田中 大介(早稲田大学教育学部非常勤講師)
近森 高明(日本女子大学人間社会学部専任講師)
中村 由佳(鞄経BPコンサルティング)
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